モンゴル



伏兵コードを観た後、何の効果か分かりませんが、急にもう一本何かみたくなって、仕事終わりに急遽映画館に向かうことにしました。
名探偵コナン」と迷いましたがレイトショーがなかったので(あたりまえか/笑)「モンゴル」を観ることに決定。
映画はやはりふたりで観るのがいい。
観終わったあと、ああでもないこうでもないと作品について語り合えるのがいい。
もちろん、前情報は可能な限りシャットアウトしておきたいものです。


急遽誘ったにも関わらず私の「モンゴルを観る会」に参加してくれた清水かおりと共に、スクリーンのド真ん前で鑑賞。
私たちを含めて観客は3組しかおらず、とても贅沢な時間を過ごしました。


スクリーンには、どこで撮影したのかはわかりませんが、モンゴルだと言われて何の疑問も抱かないくらい雄大な自然が広がっていました。
これを見ることができただけで「ああ、映画館に観に来てよかったなあ。」と感慨しきりです。
民の日々の暮らし、モンゴル人にとっての雷の存在、部族同士の確執に、長のあり方、そして強いお嫁さんの選び方…
それらのエッセンスが、伝承でしか残っていないチンギス・ハンの物語に、ほどよいリアリティを感じさせてくれます。
おかげで、これまでこのチンギス・ハンという人は私にとってキングアーサーかチンギス・ハンかってくらいファンタジーな偉人だったんですが、その認識は軽く覆されました。


物語は冗長な部分が続くかと思いきや、急に何の前触れもなく数年後に飛んだりして、前知識の少ない私にとっては若干面食らう部分もありました。
観終わってよくよく考えてみると、とばされている所は伝承・史実として広く認識されている出来事がほとんどだったように感じます。
詳しくない私は「それで、彼はどうやってモンゴル全土を統一したの?」とか、「もう戦いが終わってしまうの?」と、物足りないところもありました。
しかし監督は、良く知られている史実の再現はもう十分だとでも言うように、その時どきのチンギス・ハンの表情を追いかけます。
演じる浅野忠信の眼の表情、本当に素敵でした。
突っ込みどころもたくさんあったのですが、そんなことたぶん細かいことなんでしょうね。
おおらかで雄大なモンゴルの大地のように、自由で骨太で清々しい作品でした。


ホーミーをアレンジしたアップテンポなエンディング曲がこれまた素晴らしかったのですが、日本ではサントラは販売されていないそうで残念です。