初演裏話



「まほうまっぷ」初演のときの話です。
とても苦労して手に入れたのに、使われなかったかわいそうな小道具があります。


それは、これ↓

スクイズボトル」です。
スポーツの試合の合間に、選手たちが水分補給をしている、アレですね。
試合シーン、ハーフタイムの休憩時の一瞬のために、赤いカワイイボトルを5本揃えました。
演出助手のQちゃんと、カタログ見ながら「どれにする?あ、これカワイイ!」なんて言いながら、ウキウキと購入したものです。


そして本番前のゲネプロにて、スクイズボトル、舞台デビュー。
これが例のハーフタイムのシーンです。疲れた演技をしているように見えますが、リアルに疲れています。↓



ところが。


「飲みにくい」と、クレームの嵐。
いや、本当は飲みやすいはずなんです。
商品の名誉のためにも、そこは声を大にして。
けど、一瞬でリアルに水分補給しないといけないシーンだったので、もっとゴクゴクと飲める形状のものが良かったんでしょうね。
そして、スクイズボトルの出番は夢と消えました。
本番に使われたのは、500mlのペットボトルでした。
疲れたカラダに吸収しやすいようにと、新鮮な水で作った薄めのポカリを、毎回毎回Qちゃんがボトルに用意してくれたのでした。


最終日、清水かおりが私に言いました。
「なんかこの水、洗剤の味がするんだよね」


違うよ!ポカリが入っているんだよ!