進める。

千年女優』が終わり、休む暇無くテクイジーズ総出で出演させていただいた『アロハ合奏団』が終わり、それぞれ個人的に舞台出演はあるものの、一時の休息を迎えました。が、この間にこれからの予定を詰めてしまわなければならないのです。方々から色々なお誘いをいただき、そして自分たちのやりたいことも折り込み、2009〜2010年もまた劇団活動が忙しくなりそうです。発表まで今しばらくお待ちを。これからもTAKE IT EASY!の5人をよろしくお願いします!
そうそう、今監督のサイトで綴られていた舞台版『千年女優回顧録、『千代子讃江』が、13回目にしてようやく一区切りついた模様です。さすが原作者ならでは。大変に読み応えのある内容で、これを読むと舞台版とアニメ版『千年女優』がより一層楽しめることと思います。舞台版の映像はまだ仕上がっておりませんので、こちらは脳内で思い出していただくしかないのですが、アニメ版はぜひお手元にDVDのご準備をオススメします。監督の文章を拝読しながら、自分たちでは何気なく表現していた舞台版とアニメ版の差異が、実は深い所で意味を持ってきたり、監督の指摘を持ってはじめて気づいたところもあったりと、大変興味深かったです。何より、原作者である今さんの『千年女優』という作品に対しての深い愛情を感じることが出来、愛知版に向けてさらに気が引き締まる思いです。また千代子たちに会えると思うと、嬉しくてたまりません。稽古が楽しみです。

音楽漬けの3日間

少し時間を遡って振り返ってみると、この週末は音楽漬けの3日間でした。


1/30(金)@神戸 ラフレア
indigo jam room vol.9 “Pirates”&“vintage black”WリリースLIVE


1/31(土)@梅田 HEP HALL
SIBERIAN NEWSPAPER プレミアムライブ「四季」


2/1(日)@西宮 アミティホール
アロハ合奏団「不」定期演奏会


「今、一番好きなバンドは?」と聞かれたら必ずこのふたつを挙げるでしょう。
indigo jam unit(インディゴジャムユニット)と、SIBERIAN NEWSPAPER(シベリアンニュースペーパー)
indigoは極太ウッドベース、印象的なメロディーを奏でるピアノ、豪快なツインドラムで、全国各ライブ会場で話題沸騰中のインストユニット。ほぼノンプロモーションで過去3タイトルともに1万枚を超えるロング&ビッグセールスを記録しているというから驚きです。
この日も、会場内は超満員。お目当てのドラムさばきの手元をチラ見することも叶わず、人と音楽の波の中をただ漂ってきました。頭をガツンと殴られたかと感じるほどの衝撃から始まって、重く緊張感が漂うグルーヴの中にに繊細なメロディが浮遊する。その場にいると、自分も音楽の一部になってしまうんじゃないかというトランス感に支配されそうになります。息苦しくなるのは、きっと人の波のせいだけじゃないはず。
2/6(金)にHEP HALLで4thアルバム『Pirates』のレコ発ライブがあります。水口もスタッフで入っております。気になる方はぜひとも会場へお越し下さい!会場はオールスタンディング、踊りまくって、音楽の一部感を味わってください。


そしてSIBERIAN NEWSPAPER。この日はヴィヴァルディの「四季」を、前編シベリアンver.で演奏するという、なんとも挑戦的な刺激に満ちたライブを開催。あっという間の90分。彼等の音楽には、物語があります。ひどく演劇的で、ライブの最初から終わりまでが、まるでロードムービーを観ているかのような、そんな感覚に襲われます。とにかく、本気が伝わってくる。そして、その音楽がいい。今回も、何度か泣きそうになりました。彼等の音楽を聴くなら、断然ライブがおすすめです。一緒に、彼等の作る物語を共有してみてください。
「物語」と表しましたが、次回のSIBERIAN NEWSPAPERは絵本をまるごと一冊楽曲化するという、これまた独創的なライブでHEP HALLにお目見え。その絵本とは…エドワード・ゴーリー作「敬虔な幼子」。これにピンと来た方はぜひとも会場へ。間もなくチケット発売!


音楽週間のラストを飾ったのは、アロハ合奏団「不」定期演奏会。70人の編成からなる、迫力のオーケストラ。テクイジーズがダンス&パフォーマンスで参加させていただきました。今回はジョンウィリアムズ特集ということで、映画好きにはたまらないラインナップ。ETはもちろんのこと、ジョーズ、インディジョーンズ、ジュラシックパークと、誰もが知る有名どころを直球でぶつけてくれました。それは気持ちいいほどの豪速球。かと思えば、「シンドラーのリスト」「ターミナル」など、渋いところもカバーしてくれます。中でも、「キャッチミーイフユーキャン」のテーマには思わずニンマリ。タイトルバックが頭に浮かんできて…ああ、ハンクスとディカプリオの掛け合いを思い出す。とにかく全員が楽しんでいるのが伝わって来たのがよかったです。映画音楽好きの私ですが、またジュラシックパークの楽譜を引っ張りだしてきて、ピアノを弾きたくなってしまいました。アロハの皆さん、テクイジーズ、お疲れさまでした!

ひとり『千年女優』上映会。

舞台写真と映像収録を担当してくださった堀川さんから、写真と引きのアングルでの記録映像が届きました。
千枚以上にのぼる写真にざっと目を通し、記録映像DVDをパソコンに入れる。
ひとり『千年女優』上映会の始まりです。
この瞬間、私はかなりワクワクしていたのです。
何を隠そう、本番でちゃんと本編を観れたのは千秋楽の一回だけ。他の回は、なんだかんだとバタバタしており、始まる前は「全ステージ座って観るぞー!」と意気込んでいたというのに、「全ステージ」の夢はもとより、「座って観る」という夢も叶いませんでした。でもでも、これは嬉しいことなんです。プロデューサーが座って観られるってことは、座席が余っているということで、座れない=満席ということなんですから、本当に皆様に感謝の気持ちでいっぱいなのです。だけど、何年も前から抱いていた『千年女優』舞台化の夢が正に叶っているその瞬間、やはり「観たい」って思うじゃないですか。自分が企画しているだけに(笑)。そこで、千秋楽の開演前、制作スタッフにちょっとおねだりしてみました。
「ねえ、チケット…ひょっとして余ってない?」
「無いですね。キャンセル待ち出てますから。」
にっこり笑顔で即答されました。
それでもメゲナイ私。
「じゃあさ、私もキャンセル待ちして、チケット買うよ!そんで、座って観る!」
「ははは、いいですねえ。」
軽く流されました。
そんなこんなで、残りすべての業務を受付スタッフさんにお任せして、私と制作の寺井さんは、立ち見とはいえ晴れて劇場内で千秋楽を観ることができました。しかし、散々「座りたい」などと駄々をこねていた私ですが、これが結果的に立ち見でよかったんです。どういうことかといいますと…無事千秋楽を迎えたという安心感と、劇場内の暖かさ、そして耳に心地よい音楽たちが、私を夢の世界へと手招きするんです(比喩ではありません)。これ、座って観ていたらうっかり寝てしまっていたところだなあ、立っててよかった、なんて思っていたら…「私、立ち見でよかったです。座っていたらヤバかったです」と、あとからこっそり寺井さんに告白されました。彼女は票券を担当してくれていて、小屋入りしてから急激に押し寄せたチケット予約の波に、ほぼ不眠で対応してくれていました。彼女がいなかったら『千年女優』の公演は成り立たなかったでしょう。寺井さん、本当にありがとう。次は愛知よろしくね!なにはともあれ、「立ち見万歳!」ということで、私の『千年女優』in大阪は幕を閉じたのでした。
というわけで私は、堀川さんから送っていただいたDVDを、初めて観劇するかのような新しい気持ちで観させていただきました。大好きなクライマックスのシーンを、何度も何度も満足するまで繰り返し観て、幸せに浸りました。これでやっと、私の『千年女優』大阪公演が終わりました。
さあ、『千年女優』舞台班は、これからこの映像を元に愛知公演の作戦会議に入ります。今回観に来ていただいたお客様や媒体のみなさん、関係スタッフからは概ね好評のお言葉をいただいておりますが、やはり「『千年女優』を舞台化する」ということに対してのビギナーズラックと、今監督からいただいた肯定的な感想によるところが大きいと思っています。このフィルターが外されて初めて、舞台版『千年女優』の真価が問われるのでしょう。この評を確かなものにするために、さらにいい作品へと昇華させるべく、テクイジーズと共に頑張っていきたいと思っています。
愛知公演、どうか楽しみにしていてください。
私の目標は…「今度こそ座って観る」です。小さっ。

『千年女優』後記

後処理はまだまだ残っているものの、一応の終焉となった舞台版『千年女優』in大阪。
いつまでも浸っている場合じゃないんですが、昨晩見た夢の中の私は、まさにこれから本番だと言って一所懸命準備に勤しんでおりました。
大変だったけれど、楽しい日々。
ダイジェストバージョンとはいえ、まだ愛知公演も控えておりますので千代子風に言うならば「終わってなんかない!」というところなんですが、私がこの『千年女優』から抜け出せないのには理由があります。


ひとつに、たくさんの感想ブログの存在。
演劇は「あとに残らない」芸術です。webというものが発達していなかった十数年前なら、舞台版『千年女優』の存在は口伝えでしか広まらないわけで、きっと都市伝説のごとくウワサされて終わったことでしょう。しかし今回「『千年女優』の感想を書いてくださった方に、抽選で公演の記録映像をプレゼントします」という「ブログ感想キャンペーン」なるものを行っていることもありますが、『千年女優』と検索をかければ、アニメ版『千年女優』と並んで舞台版の感想をたくさん見つけることができます。まるで時代の生き証人のように。私たちが『千年女優』を舞台化した証は、こんな形でも残っていくのですね。
「抽選で5名の方に」とうたっているからには、もちろん検索にかかるすべてのブログを拝読しております。特にmixiの日記は一週間たつと検索にかからなくなりますから、拝読した上で後の抽選用に保存させていただいております。特に期限を設けていないこともあってか、検索をかけると日々新しい感想ブログに出会うのです。観終わってすぐの熱を持って書いてくださったであろう感想ブログも、時間をおいて書いてくださったであろう読み応えのある考察ブログも、そのどちらも私たちにとっては宝物です。書いてくださった皆さん、本当にありがとうございます。そんなわけで、毎日感想ブログを読んでいるため、『千年女優』の世界から抜け出せないのです。


ふたつめは、「舞台版『千年女優』を観れなかったお客さん」の存在。
2日ほど前、HEP HALLスタッフのYさんからこんな話を聞きました。
「昨日、親子連れのお客さんがホールを訪ねてきてね。『千年女優』のチラシはありませんか、って聞かれたから、ホールに保存してあったチラシを一枚分けてあげたよ。舞台化されたことを公演が終わってから知って、チラシだけでも欲しくてホールを訪ねてきてくれたみたい。すごい喜んでくれたよ。」とのこと。
この「チラシ」とは、ヘアメイクKOMAKIと写真家堀川さんの手によってそれはそれは美しく撮影された5人の女優が並ぶ「『千年女優』舞台化に向けての決意表明」みたいな、豪華三つ折りチラシのこと。有り難いことに好評で公演直前の2週間前にはなくなってしまい、急遽公演直前バージョンのチラシを追加で印刷しました。なので、この三つ折りチラシは公演当日にはほとんどお客さんの目に触れることはなく、数枚のみがホールの事務所にひっそり保存されていたのでした。そのチラシが、アニメ版『千年女優』ファンで舞台版『千年女優』を観ることができなかったお客さんの手のもとに。「すごい喜んでくれた」とありましたが、その話を聞いて舞台版を企画した者としては嬉しくもあり、情報を事前に届けることができなかったという反省もあり、とにかく感慨深い出来事だったのでした。
また、終わってから「『千年女優』のパンフレットは通販していないのですか?」とのお問い合せをいただきました。お届けしたいのは山々なんですが、完売となってしまい、諸事情ありまして増刷することはできません。大変申し訳なかったのですが、その旨お返事させていただきました。すると、それに対して更に返信が。実は公演があったことを後から知って、評判を聞いてパンフレット(とサウンドトラックCD)だけでも手に入れたいと思い、問い合わせをしてくださったとのことでした。このお客様にも、公演情報を事前にお届けすることができず申し訳ない気持ちでいっぱい。
どちらのお客様も、とにかく『千年女優』のことが好きで、『千年女優』に関わるものは何でも目を通したい、体験したいという気持ちから、劇場に足を運んでくださったり劇団に問い合わせをくださったのでしょう。終わってからもなお、原作『千年女優』の力がいかに大きいかということを痛感させられました。
他にも「『千年女優』の舞台をやっていたらしい!見逃してしまったが、見たかった!」というブログ記事をいくつか発見しました。恐らく原作者である今監督のブログやたくさんある感想ブログを読まれてのことかと思います。もうもう、すべてに感謝です。そして、ごめんなさい。この方たちのためにも、まずはDVDの作成と、愛知verの作戦を練らなければ。そして、その後の展開も。この『千年女優』を如何様にしてお客様に届けて行くべきか。TAKE IT EASY!の今後の活動をどうして行くべきか。冷静に、冷静に。
そんなこんなで、やっぱり『千年女優』の世界から抜け出せないのです。


みっつめは、関係者のブログの存在。とにかく、読んでください。『千年女優』の足跡がここにも。
脚本・演出 末満健一氏 「丑の刻参るまんとなく日記」
音楽 和田俊輔氏 「WADASYUN.WONDER.WEB」
音響 児島塁氏 「音響王子のshakty blog」
原作 今 敏氏 「KON'S TONE」(NOTEBOOKにて「千代子讃江」連載中!)
お客さんに愛され、関係者・スタッフに愛され、本当に幸せな公演でした。もう一度ここで御礼申し上げます。有り難うございました。
私のblog内カテゴリ「舞台版『千年女優』への道」も、もう少し続けさせていただきたいと思います。どうぞよしなに。

『SUGAR』先行チケット発売今日から!

TAKE IT EASY!×末満健一『千年女優』の公演にて毎ステージ華やかな予告編を披露してくれた、チーム『SUGAR』。
そんな『SUGAR』の先行チケット発売が、今日から開始されています!

ピースピットHYT123『SUGAR』
2009年3月4〜8日 シアトリカル應典院 space×labo参加作品

ピースピットが三年に渡って展開してきたHYT123プロジェクトの集大成。伝説のお菓子レシピを巡る冒険コメディを三部作一挙上演。

[作・演出・出演]末満健一
[キャスト] 中野裕貴、仲井哲平、立花明依、佐藤博昭、範国ヒロコ、吉次正太郎、花田綾衣子、森口直美、西分綾香、福島果林、治田絵里子、延命聡子、竹村晋太朗、丹下真寿美、橋爪未萠里、西国原菜々、西森光枝、大重藍、池田澄江 / 児島塁(音楽)、末満健一

主題歌 『もっともっとSUGAR!』
作曲:児島塁 作詞:末満健一 歌:MCJJとSUGARオールスターズ

『SUGAR』特設サイト→http://www.peacepit.net/st/sg/(※チケットのお申し込みもこちらから!)

チケット先行予約 2009年1月25日(日)〜31日(土)
チケット一般予約 2009年2月1日(日)より

「次はどのお芝居を観ようかな?」と思っている方、ぜひぜひ『SUGAR』会場へ。
「王道娯楽派ピースピット」の看板に偽り無し、最高にエキサイティングでグルービングなステージがあなたをお待ちしております。
このHYTシリーズ、前作&前々作も前売チケットが早々に完売となっています。ぜひともお早めのご予約をオススメ致します。
私も、どこかで観劇させていただく予定。
早めに予約しなくちゃ!

写真で振り返る、『千年女優』

今回、何かと忙しく、写真を撮る余裕もありませんでした。
ビデオカメラを持って行っていたのですが、こちらも全く撮れていない。
怒濤のように走り抜けた3日間、メモリーカードに記録された数枚の写真を紹介しながら、『千年女優』を振り返りたいと思います。

ゲネプロ前、舞台稽古中。ヘアメイクもまだなので、よく見ると前渕さなえの髪の毛がちょんまげです。



これからお客様をお迎えします。ロータススタンバイ完了。ブレています。



サウンドチェック中の、児島王子。赤い椅子と、赤いパーカー。



王子の要塞です。



本番直前、舞台裏で。皆で手を重ね合わせ、気合い入れ。…ブレています。



気合い入れのあと。舞台へ向かうテクイジーズたち。動きが早くてこちらもブレる。私の動きが忙しないのか?



1日目、トークショーのようす。ナビゲーターは山根と松村。本番直前、いきなりふってしまってゴメンよ。



楽屋裏通路。今からヘッドセット着けて本番準備。



ヘアメイク中、中村真利亜。



こちらもヘアメイク中、清水かおり。ヘアメイク隊のふたり。井上さんと、のんちゃん。奥の壁に見えるのは、のんちゃんが持って来てくれたお札。この公演、色んなものに守られていました。



山根千佳を近写。これはピンマイク。役者の声を拾ってくれました。この劇場サイズでピンマイクって、なかなか無いです。音楽とセリフをきかせるために、ここにも王子のコダワリが。



トークショウに向かう清水・松村・末満さん。今回は、トークショウのため男性陣のスーツ率高し。最終日、なぜか音響王子までスーツ。スーツでオペをして、女性陣のハートを盗んでいきました。



二日目の夜、トークショウのゲストに和田さんを迎えて。



和田さんが作った音楽を、劇場に響かせた塁さん。まるでふたりでひとりのような、兄弟のような、戦隊ヒーローのような。舞台監督のぜんさんからは「ガリレオコンビ」と呼ばれていました。ふたり揃うとすごい迫力でした。後ろに松村。



某雑誌の取材風景。貴重な貴重な、『千年女優』ふたりの父とテクイジーズの、全員集合写真。掲載が決まりましたらまたお知らせさせていただきます。

おわりました。

千年女優』、無事閉幕しました。
観に来てくださったお客様、関わってくださったスタッフさん、キャストの皆に感謝です。
今日は、少し先の打ち合わせの日程を調整したり、荷物の整理をしたり、リハビリ的な1日。
千年女優』公演の色々についてはまた後ほど。